同じ不動産物件であっても賃貸物件と市営住宅・公営住宅の共益費では異る部分が出て来る点をご存じじゃろうか?
これから市営住宅や公営住宅に入居することを検討しておる方は、賃貸物件における共益費と市営・公営住宅の共益費の相違点について覚えておくことが大切じゃ。
ここからは、市営住宅・公営住宅の共益費の主な特徴について確認しとおくとしよう。
市営住宅・公営住宅の共益費に関する最大の特徴は、入居者の自治組織による共益費の徴収・管理が多く実施されておる点じゃ。
共益費とはここまでに解説してきた通り、集合住宅の居住者の共用部分の維持管理を行うために必要となる費用を、居住者全員で毎月一定額積み立てていく資金じゃ。
通常の賃貸物件や、分譲マンション物件などの場合は大家さんや物件管理会社が共益費を徴収し、維持管理に関わる経理業務などもこなしておる。
しかし、一部の市営住宅・公営住宅の場合は、入居者の自治組織内で共益費の徴収から資金管理までを行なっておるケースがあるのじゃな。
市営住宅・公営住宅の共益費の徴収は、その自治体や自治組織によって会計役が選出されていたり、一定期間ごとの当番制で行われていたりするなど千差万別じゃ。
これは要は、不動産に全く不慣れな一個人が居住者全員の共益費の徴収や管理などの業務を行わなければいけない可能性があるという事を意味しておる。
自分が共益費の徴収役になるという不安は想像以上に大きいものじゃ。
これは市営住宅や公営住宅の居住者の中には共益費を滞納してしまう人も多いという現実的な問題が大きく関与しておる。
また自分が管理するだけでなく、不動産管理業務の素人である隣人が共益費を管理するという不安を抱える可能性もあると考えておくべきじゃろう。
共益費に関わらずお金の徴収業務や管理業務には常にトラブルがつきまとうものじゃ。
実際に市営住宅・公営住宅では、「共益費の不払い問題」や「管理者の使い込み」そして「横領」等の問題が毎年のようにあがっておる。
これらの共益費の不払いに関わるトラブルは、多くの原因があるのじゃが、その最大の原因は居住者全体の高齢化が大きな要因となっておる。
また使い込みや横領などのトラブルが相次ぐ原因はやはり、不動産管理に不慣れな個人が管理業務を行っている為であると言えるじゃろう。
市営住宅や公営住宅の共益費の徴収に関しては自治組織運営だけでなく、市が直接関与して徴収業務を行っておるケースも存在する。
その為、これから市営住宅や公営住宅の入居を検討する際は、共益費の徴収や管理がどのような形態で行われておるのかについて事前に確認しておくようにしておきたいものじゃのぉ。