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マンションや市営住宅等の不動産の家賃・共益費・管理費の仕組みについて初心者向きにわかりやすく解説。

◆共益費・管理費の解説

◆共益費の一般的な相場

 物件概要書やマイソク図面(不動産屋さんにもらう図面)の共益費の価格設定はいったいどのように計算されておるのじゃろうか?

 同じ地域内の物件で同じような間取りの物件であっても共益費が大きく異る物件が実際にある点を考慮すると、この共益費の価格設定が妥当であるのかどうかについて気になることもあるじゃろう。

 ここでは共益費の一般的な相場について確認しておくとしよう。

◆月額家賃の5%〜10%ラインが平均相場

 まず共益費の相場は前項でも解説した通り物件の大家さんによってまちまちである為、厳密的な相場と言うものは実在しない点を把握しておく必要がある。

 しかし、おおまかな範囲で考えた場合の全体的な共益費の相場はやはり存在しておる。

 尚、最も代表的な共益費の価格設定は月額家賃の5%〜10%ラインが平均相場と考えておいてよいじゃろう。

賃貸物件の共益費の相場【画像】

 イメージとしては5%以下であれば、共用部分の管理やゴミ出置き場などの管理が大丈夫かどうかやや不安と考える事もできるし、10%以上となると、共益費が取り過ぎではないか検討してみる価値はあると言えるじゃろう。

共益費の相場の目安一覧表
月額賃料・家賃共益費の目安
40,000円2,000円〜4,000円
50,000円2,500円〜5,000円
60,000円3,000円〜6,000円
70,000円3,500円〜7,000円
80,000円4,000円〜8,000円
90,000円4,500円〜9,000円
100,000円5,000円〜10,000円

 尚、後述しておる公営住宅や市営住宅などの場合は、収入に応じて家賃算定を行うなど家賃設定が極端に低くなるケースもあり共益費が月額家賃の30%以上となるケースもある点を覚えておくことじゃ。

【賃貸物件の共益費の相場の確認ポイント】
◆地域によっても相場が異なるが賃貸物件の共益費は月額家賃の5%〜10%程度が相場である
◆公営住宅や市営住宅は賃料算定の基準が収入に対応するため共益費が月額家賃の30%程度になるケースがある

◆相場よりも共益費が極端に安い場合

 共益費がゼロ円、もしくは極端に安い賃貸物件の場合は、共用部分の管理がなされているかどうか一度物件を実際にチェックしておくことをおすすめする。

 これは例えば物件の大家さんが地元に住んでおらず遠方に住んでおり、特に物件の管理をせずに放置状態となっておる物件である可能性が検討されるためじゃ。

 物件の大家さんによっては仮に遠方に住んでいても管理会社を通じて物件のメンテナンスや維持管理をしっかり行なっておる場合も多い。

 この場合は、家賃以外に管理会社に支払う月額管理料の支払いがある為、極端に安い共益費の価格設定となるケースはなかなか考えにくいものじゃ。

 その為、共益費が安すぎるような物件の場合は物件が荒れていたり、管理が行き届いていない可能性が考えられるという訳じゃな。

 不動産運営に対して熱意に乏しい大家さんであれば管理費をあえて徴収せずに、居住者の自主管理としておく事で煩雑な管理業務を放棄しておるのかもしれん。

 その為、共益費が極端に低い場合や共益費ゼロ物件の場合は念のため、物件管理状態を確認しておきたいものじゃ。

◆共益費が相場より高すぎる場合

 地域内の物件で同じような間取りの物件であっても共益費が高額となっている物件の場合は、その共益費の額に見合う物件管理がなされておるかどうか念のため確認しておく事が大切じゃ。

 特に、同じ地域内で駅からの距離もほぼ同じ、更に間取りも同じような物件であったとしても、エレベーター付きの物件であればエレベーター無しの物件よりも維持管理費がかかる為、共益費が高額に設定されておるようなケースも存在する。

 例えば、上記共益費の相場の目安一覧表の月額家賃60,000円の場合の共益費は3,000円〜6,000円程度が相場の目安となっておるが、中規模以上のエレベーター付きの賃貸物件であれば5000円程度の共益費が設定されておるケースが多くあるのじゃな。

 実際にエレベーター付きの賃貸住宅などでは多くのケースで共益費が月額家賃の7%〜10%程度とやや高い設定が相場ラインとなっておる。

 また賃貸価格と共益費の割合から見ると、新築物件ほど共益費の負担金が大きくなる傾向がある点も覚えておいて良いじゃろう。